レーザー治療とは

このようなお悩みはありませんか？

• 歯を削る「キーン」という音が苦手
• 麻酔の注射が怖くて、歯医者に行くのが憂うつ
• むし歯の治療でたくさん削られるのが不安
• 歯ぐきの腫れや出血がなかなか治らない

歯科用レーザーのしくみとは

レーザーとは、特定の波長の光を一点に集中させたものです。
歯科治療では、このレーザー光を利用して「熱」の力でむし歯菌を焼いたり、歯ぐきの炎症を抑えたりできます。
特徴的なのは、水分の多い部分や色の違いに反応する点です。むし歯の部分は水分を多く含んでおり、レーザー光を吸収しやすいため、熱エネルギーが伝わって焼き焦げる反応が起きます。
一方で、健康な歯は水分が少ないため、レーザーがほとんど反応しません。これにより、むし歯の部分だけを見極めながら、必要最小限の処置が可能になります。

レーザー治療3つのメリット

① 痛みや出血が少ない

レーザーは患部のみに集中的に作用するため、処置中の痛みが少ないのが特徴です。場合によっては麻酔なしでも対応できるため、麻酔の注射が苦手な方にも適しています。
また、レーザーには消毒・殺菌・止血の効果もあるため、治療中の出血や腫れを抑えられます。術後の回復もスムーズです。

② 音や振動がほとんどない

一般的な回転器具（ドリル）のような「キーン」という不快な音や強い振動がないのも、レーザー治療の魅力のひとつです。
「歯を削る音が怖い」「過去の治療がトラウマ」という方でも、安心して治療を受けていただけます。

③ 削る量を最小限にできる

レーザーはむし歯の部分にだけ反応するため、健康な歯を傷つけにくいのが特徴です。
従来のように「取り残しを防ぐために多めに削る」必要がなくなり、歯を守ることにつながります。歯を削る量が少ないことで、患者さんへの心理的な負担も少なく治療が終了します。

レーザー治療3つのデメリット

① すべての症例に適応できるわけではない

レーザーは優れた治療機器ですが、すべてのむし歯や歯周病に使えるわけではありません。
たとえば、重度の歯周病や、深い部分にできたむし歯など、より深い処置が必要な場面では、従来の器具や治療方法と併用することがあります。
「レーザーだけで全部治せる」と思われがちですが、状態に応じて最適な治療法を組み合わせることが大切です。

② 保険が適用されるレーザーは限られている

現在、レーザー治療は一部の処置についてのみ保険適用が認められています。しかし、処置の内容によっては自由診療になる場合もありますので、治療前にしっかりご説明させていただきます。

③ 高度な技術と判断力が求められる

レーザーは繊細な機器で、正しく使いこなすには高度な技術と経験が必要です。「どこまで削るか」「どの出力で照射するか」などの判断を誤ると、健康な歯にも影響が出てしまう可能性もあります。

当院では、レーザー治療に習熟した歯科医師が担当し、患者さん一人ひとりの状態に合わせて、的確に処置を行っています。

レーザー治療が活用される主な症状・疾患

当院では、次のような症状やお悩みにレーザー治療を活用しています。

むし歯

初期のむし歯や、小さなむし歯をできるだけ削らずに処置したいときに有効です。適宜、マイクロスコープを使用しむし歯の範囲を正確に見極めながら、必要な部分だけを丁寧に除去しています。

歯周病（歯ぐきの炎症・腫れ）

歯周ポケットの奥深くに潜む細菌や毒素を、レーザーの光と熱で無毒化できます。炎症のある歯ぐきの炎症を抑えたり、組織の回復を促したりする効果も期待できます。

歯ぐきの腫れや膿がたまったとき

切開が必要なケースでも、炭酸ガスレーザーを使えば、出血を抑えながら清潔に処置できます。メスによる切開に比べて、痛みや腫れが少なく、回復も早いことが特徴のひとつです。

口内炎

痛みのある口内炎にレーザーをあてることで、治癒を早めたり、痛みを和らげたりすることができます。繰り返す口内炎にも対応できますので、ご相談ください。

レーザー治療が適さないケース

レーザー治療は多くの症状に有効ですが、すべての治療に使えるわけではありません。以下のようなケースでは、従来の治療法を優先したり、併用したりする必要があります。

重度のむし歯

むし歯が深い部分まで達している場合、レーザー治療が難しいことがあります。また、歯と歯の間にできているむし歯や入口が狭いむし歯など、レーザーの光が届きにくいときもレーザー治療の適応外となるためご了承ください。

重度の歯周病

歯周病が進行し、歯周ポケットが深くて複雑な形になっている場合、レーザー治療が適さないことがあります。外科的な処置や再生治療などを検討する必要があるため、慎重な診断が重要です。

レーザーに反応しづらい材料がある場合

金属の詰め物や被せ物がある部位などは、レーザーの光が遮られてしまうことがあります。
レーザー治療は既存の補綴物（ほてつぶつ）を避けながら処置を行うのが難しいため、詰め物の種類によっては適応外のケースがあります。

当院のレーザー治療

レーザー治療は、ただ機械を使えばいいというものではありません。大切なのは「どこに、どれだけ照射するか」を見極める判断力と、それを的確に操作する技術です。
当院では、レーザー治療を積極的に取り入れ、歯をなるべく削らずに済む治療を心がけています。削る範囲が最小限になることで、歯の神経や周りの組織へのダメージも抑えられ、結果として「歯を長く守る」ことにつながります。
レーザーなら、キーンという音や強い振動もほとんどなく、痛みも出にくいため、治療そのものが苦手な方にもおすすめです。
「歯医者がこわい」「できれば行きたくない」といった気持ちがよく分かるからこそ、できるだけ負担の少ない方法で、大切な歯を守っていけたらと思い、治療を行っています。歯やお口のことで気になることがあれば、どうぞ気軽にご相談ください。