いびきとは

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群とは、眠っているあいだに呼吸が何度も止まってしまう病気です。呼吸が止まることで体内の酸素が不足し、心臓や脳に負担がかかります。
その結果、熟睡できず疲労が残る、日中の強い眠気が出るなど、日常生活へ影響する他に、不整脈や心筋梗塞などのリスクが高まる可能性があります。
特に問題なのは「自覚しづらい」という点です。本人は眠っているため気づかず、気がつけば何年も無呼吸の状態が続いていたという例もめずらしくありません。
「ただのいびき」と思っていても、実は寝ている間に呼吸が止まっている可能性があるのです。

このようなお悩みはありませんか？

次のような症状に心当たりがある方は、早めの受診をご検討ください。

• 大きないびきを指摘される
• 起床時に口が渇いている、喉が痛い
• 朝から疲れている、頭が重い
• 日中の眠気で集中力が続かない
• 夜中に何度も目が覚める、トイレに行く回数が多い
• 車の運転中に眠気を感じる、居眠りしてしまう

これらはいずれも、眠っている間の呼吸の質が低下しているサインです。

睡眠の質と「お口の中」の深い関係

実は、睡眠中の呼吸状態には「口の中の状態」が大きく関わっています。

あごの大きさや舌の位置

眠っているときに舌やあごが後方に沈み込むと、空気の通り道（気道）が狭くなり、いびきや無呼吸が起こりやすくなります。

歯並びや噛み合わせ

あごの成長が未発達だったり、噛み合わせが乱れていたりする場合、舌の収まりが悪くなり、気道がふさがりやすくなることもあります。

このように、歯科の視点からも「呼吸しやすいお口の中の環境づくり」が大切です。

歯科でできる睡眠時無呼吸症候群の治療

歯科では、睡眠時無呼吸症候群に対して以下のような治療が可能です。

マウスピース（口腔内装置）治療

就寝中に装着するマウスピースによって下あごを少し前に出す位置に誘導し、気道を確保します。

顎顔面矯正による根本治療

あごが小さいことが原因で気道が狭くなっているケースには、上あごの骨を広げる特殊な矯正装置を使用します。これにより舌のスペースや鼻腔の確保ができ、口呼吸から鼻呼吸への改善も期待できます。

マウスピース治療4つのメリット

① ぐっすり眠れるようになる

いびきや無呼吸のある方は、眠っている間に呼吸が妨げられている状態です。
下あごの位置を整えて気道をしっかり広げることで、息がしやすくなり、深い眠りがとりやすくなります。

② いびきや無呼吸の改善が期待できる

ご自身では気づきにくいいびきや呼吸の乱れも、マウスピースの装着によって軽減が期待できます。「いびきが静かになった」とご家族から言われる方もいらっしゃいます。

③ 体への負担をやわらげる

睡眠時の酸素不足が解消されると、心臓や脳へのストレスも軽減され、高血圧や心血管系の病気などのリスクを抑えることにもつながります。

④ 使いやすく、続けやすい

マウスピースはコンパクトであるため持ち運びも簡単です。お手入れもシンプルで、無理なく続けられる治療法です。できるだけ体に負担をかけたくない方にも適しています。

治療の流れ

当院の治療の特徴

お口から呼吸を整えるアプローチ

当院では、むし歯や歯周病の治療だけでなく「呼吸しやすいお口の環境づくり」にも力を入れています。いびきや無呼吸の原因には、歯並びやあごの形、舌の位置といった要素が大きく関わります。
マウスピースや矯正を通じて、気道を確保しやすい状態をめざし、寝ている間の呼吸をサポートします。

丁寧な検査・診断を重視

治療を始める前には、まず今の状態をしっかり確認することが大切です。当院では、噛み合わせやあごの動き、歯並びなどを詳しく調べたうえで、必要に応じて睡眠時の状態を把握するための検査をご案内しています。
無理なく続けられる治療法を一緒に考え、ご説明しながら進めていきます。

日常生活への配慮

「忙しくて治療に通えるか不安」「装置の違和感が気になる」そんな声にも寄り添えるよう、できるだけ生活に負担をかけない形での治療を心がけています。
マウスピースは取り外し可能でお手入れも簡単。装着のタイミングや日常での注意点なども、わかりやすくご案内します。
初めての方にも安心して続けていただけるよう、細やかなサポートを大切にしています。

「しっかり寝ているのに疲れがとれない」「いびきが気になる」そんなお悩みの背景には、睡眠時無呼吸症候群が隠れているかもしれません。
当院では、睡眠の質を整えることを通じて、日常の不調を根本から見直していくお手伝いをしています。できるだけ体への負担を抑えながら、しっかりと効果の出る方法を提案し、ご家族や仕事への影響にも配慮した治療を心がけています。
”眠りの質”が変わると、日中の過ごし方も変わります。気になる症状があれば、どうぞお気軽にご相談ください。